インターネットとなるべく触れあわない術
2時間、3時間もノートブックでネットサーフィンしてから寝る、という好ましくない習慣が以前あった。 いまは、インターネットとは、程よい距離をとれたので、そこに至るまでの経緯を少しまとめておきたい。
何に時間を費やしていたか、それはブラウザと接している時間
ネットサーフィンの時間は、ほとんどブックマークされたサイトの巡回に使われていた。 ブックマークしたサイトが多いわけではない。 ニュースサイトやSNSなど、更新が早いサイトを、一定間隔で巡回し続けている(同じサイトを10分後に開き直すなど)という不毛なものだった。
どう時間を減らすか、それはブックマークをすべて削除すること
まずは不要なSNSの脱退から始めた。 もともとFacebook/Instagramは、惰性で続けていたので、辞めることに抵抗がなかった。
Twitterは、仕事関係やマネーの情報が早く、抵抗があったが、まずは脱退した。 代わりに有用なTwitterアカウントをブックマークすることにした。情報にアクセスできなくなる、という心理的抵抗を和らげることが、脱退できたポイントだと感じる。
次に、普段、娯楽で巡回しているサイトについてブックマークから削除。
この時点で、ブラウザのブックマークは、20以下。個別に登録したTwitterのアカウント群と、日常的に利用するサービス(銀行、クレカ、公共サービス、など)のみに絞られたように思う。
ここまで減らすと、もっとすっきりさせたい、という慣性が働くようになる。
銀行、クレカといった日常使いのサービスは、いまは殆どがアプリが用意されているため、スマホのアプリに乗り換える。
また、アプリが用意されていないサイトもあったが、それらのサイトには、「検索して都度アクセスすればいい」と割り切った。
そうすると残るは、一部のTwitterのアカウントがブックマークに残る限りとなったが、最終的には、見たい時にTwitterにアクセスして検索して探せばいいか、という結論に納得でき、すべてのブックマークは追放された。
ネットサーフィンしていて、これは後で読んでおきたいな、というサイトは、ブックマークせず、Safariの「リーディングリスト」を使うことにした。
そう、Chromeだと、ネット巡回しやすいので、このタイミングでSafariに乗り換えたのだ。
ブックマークがない世界
ブックマークがなくなると、圧倒的にネットする時間が短縮される。閲覧したいサイトがあるときは、検索して見ればいいのだ。 さすがに一手間かかるので、延々と巡回するようなことはなくなる。
仕事の情報や、経済の情報を調べたい時は、「調べる時間」を意識して作るようになるので、短時間で、切り上げるようになる。 即時性はないのだが、即時性がなくても、自分の生活に影響がないことがわかった。
睡眠時間の確保にもつながるし、もっと生産的なことに時間が費やせる。
「ブックマークの整理」なんて時間もこれでなくなるわけだ。
ワインを飲む機会が減る。上質な紅茶を探す
数年前、上司の影響もあり、ワインにはまった。接待や出張の際に、ご相伴に預かることが多少あったのだ。
国や、葡萄の種類によりテイストが異なるので、まずは、全体を一通りなめていったり、その後、狭く深く掘り下げる、ということもできるので、一見優雅に感じるが、本質的にはオタク気質な嗜好品だと思う。
多少齧ったことで、その時飲みたい雰囲気を店で選べるようになったのは、よかったように思う。それまでは、好きなテイストのワインが言語化できず、毎回どれを頼めばいいか??はっきりしないことも多かったからだ。
ワインのボトルには750ml入っている。一晩で飲み切るには、多く、また妻も下戸のため、ほとんどが、飲みきれない。
また種類にもよるが、開栓後、一晩で香りが飛んでしまうことが多く、かけるお金に対して、楽しめる時間が短いというか、コスパが悪いというか。
一時期は、小さなセラーを所有し、通販やお店で毎月数本頼むことが楽しみだったが、そんな理由から、飲む機会もほとんど減ってしまった。
複雑で多層的な味や香り、上質な紅茶
ワインが美味しいと感じるのは、複雑で多層的な味や香りがあるところだ。
自分はグルメではないが、料理も複数の香辛料や調味料が使われた料理のほうが、美味しいと感じる。脳が喜ぶのではないだろうか。
前年の夏、紅茶の専門店/TWGの前を通りすぎることがあった。 ディスプレイの美しさや、店の前を通った時のなんともいえない香りに誘われて、物色することにした。
お店の方が、缶を開けて、香りをかがせてくれる。 夏だったため、爽やかなものがあるかと尋ねたら、エターナルサマーという種類を勧められた。茶葉のブレンドには、どれも素敵な名前がつけられていて、なんともいえない。
香ってみると、ふっと意識を飛ばしてくれるような香りで、すぐに気に入った。 「実はこちらは、紅茶じゃなくて、ルイボスティーなんです」と言われたのも、なんとも面白かった。
コロナ禍では、自宅での楽しみが重要だ、と理由をつけて、少し高価だったが、購入した。 ひとりで飲む機会が多いことを伝えると、「ではやはりティーパックが便利でしょう」と。
箱に入っていて、大体1パック200円くらいだった気がする。いい値段だなと思ったが、改め直した。これは本当に高いのだろうかと。
外でコーヒーや紅茶を頼めば当然もっとするし、小分けになっているので何度も楽しめる。
ワインと同じように、香りを楽しむ嗜好品だと思えば、随分とリーズナブルな気もした。 こんなきっかけもあり、最近は、紅茶を楽しんでいる。
Spotifyがよりそってくれる生活
Spotifyは、在宅で仕事をするにあたり、ふっと音楽がほしいときに生活に寄りそってくれる。
特に公式のプレイリストがいい。
1日の中の「時間」や「天候」、「季節」をテーマとしたものが多く用意されている。
Sunrize / Sunny beats / Morning Rhythm / Night Rain / Rainy Day / Chilled Afternoon / Lazy Sunday ...
当初は、ジャンルや、アーティストのプレイリストを流していたが、仕事をしながら、あるいは家事をしながらの際は、こういったテーマをもったプレイリストが、しっくりくる。 まさに生活に寄り添ってくれる、という表現がぴったりだ。
Spotify Connect
Spotifyが他の音楽サービスと比べて、ユニークなのは、Spotify Connectというサービス事業を展開していることだと思う。
Spotify Connectは、オーディオメーカーと提携をしていることで実現している。
PCで再生した音楽を Bluetoothで、オーディオに飛ばし、室内のスピーカーから音楽をかける、というのが従来のオーディオ環境だったと思う。
Spotify Connectは、PCの再生停止とは連携せずともスピーカー自体が、クライアント(接続端末)となり、インターネット上のSpotifyと接続することで、音楽の再生停止や、音量の調節ができる。ここがポイントだ。
流す音楽は、PCやスマホから指定する。ではBlutoothと変わらないのでは?と思うが、あくまで、PCやスマホはリモコンの位置づけなので、再生中、PCや、スマホの電源が停止したり、電話がかかってきたりしても、スピーカーの音楽再生に影響が出ない。
これが地味に素晴らしい。
こういった特性を生かして、複数のスピーカーを部屋に配置し、同時に同じ音楽を再生することができる。
日本の狭い住宅環境だと、そこまで、使われるシーンもないと思う。 けれど、店舗やビルフロアだったら、どこへ歩いていっても同じ音楽が流れている、という使い方もできる。非常にユニークな仕組みだと感じる。
なお、オーディオ機器がSpotify Connectと接続される際、何も手続きせずとも勝手につながっている。
これがある意味、怖い、というか不思議で、どのような仕組みで実現しているのかが謎だ。
おそらくスピーカー端末に組み込まれたソフトウェアが、同じWi-fiネットワークにいるPC上のアプリないしは、スマホ内のアプリと「自動で」連携されるようになっていると思われる。
セキュリティ的にどうなんだろう、と思ってしまわないでもないが、面白いので良しとしている。